ちゃんと準備したし、ちゃんと話せたはず・・・でも、受講生の反応が薄い・・・」
そんな経験、ありませんか?
私はあります。何度も。
講座の構成、スライド、話す順番まで細く決めて臨んだはずなのに・・・
”伝えたいこと”が伝わっていないように感じて、落ち込む帰り道。
ある講座のあと、一人のママがポツリとつぶやきました。
「なんだか、今日の言葉、すごく”沁みました”。」
その瞬間、「ああ、届いたんだ・・・」と心が震えました。
これをきっかけに”伝える”という姿勢自体を見直すようになりました。
そのときから、自分の講座がガラッと変わりました。
“伝える”の限界と、“届く”という視点
以前の私は、
「ちゃんと伝えなきゃ」
「わかりやすく説明しよう」
と、自分の中にある”正解” を届けることばかり考えていました。
でも、ある日ふと気づいたんです。
「伝える」は、一方的に自分の中の答えを届ける行為。
「届く」は、相手の受け取る器に合わせて、調整する行為。
前者は「話し手」の視点。
後者は「聞き手」の世界に立ったとき、はじめて実現します。
つまり、伝えようとするほどに”自分目線” になっていたのです。

「伝える」から「届く」に変える3つの工夫
わたしが届けたかったのは、テクニックではなく
その人の”生き方”に寄り添う、あたたかいエールだった。
その気づきから、わたしは講座作りを以下のように変えました。
①話す前に空気を読む
講座のスタート直後、いきなり本題に入るのではなく、
まずは受講生の顔色・姿勢・目の動きをよく観察します。
「今日どんな気持ちで来ているのか」
「話を聴く準備が整っているのか」
「どんなエネルギーでいるのか」
講座は”場作り”から始まっていることに気づきました。
可能ならば、講座始まる前、受講者が会場に入ってくるときから、
挨拶などで、”場作り”を始めます。

②言葉は ”削る” ことで伝わる
以前のわたしは「ちゃんと説明しよう」として、
つい言葉が多くなりがちでした。
でも、多すぎる情報は、心に残らない。
伝えることを減らし、
- キーワードだけを強調する
- 言い切って、間をつくる
- 余白をつくる
そんな”削る勇気”を持つことで、
むしろ参加者の反応が増えていきました。

③言葉以外の”空気” で届け、弱みを見せる
声のトーン、間、目線、体の動き。
言葉以上に、”空気感”が届いていたということにも気づきました。
優しさ、信頼感、安心感。
それが”先に届いて”初めて、言葉が受け取られる。
だからこそ、わたしは「感情を込める」よりも、
「感情を整える」ことに時間をかけるようになりました。
そして、「完璧な人」よりも、「揺れてきた人」の言葉のほうが、親近感湧きます。
わたしも、伝え下手で”失敗”(成長体験)ばかりでした。
それを正直に話すと、みんなが安心してくれるんです。
届く講座には、共通の“余白”がある
伝えることばかりに集中していた頃は、
とにかくスライドを埋めて、言葉を詰めていました。
でも、「届ける」ことを意識し始めてから、
講座には”余白”が必要なんだと気づいたんです。
言葉の余白、心の余白、沈黙の余白。
そこに相手が自由に「感じ、考えるスペース」が生まれます。
聞き手の中にある”気づき”の芽を信じる。
わたしは答えを伝えるよりも、「あ、それでよかったんだ」と思える問いを届けたい。
もし、今
「もっと伝える力が必要かも」と思っているとしたら、
それはもう十分かもしれません。
次は、「どうしたら届くだろう?」という感性を育ててみてください。
あなたの講座が、
ただ知識を渡す場所ではなく
”心に届く場”になりますように。
コメントをお書きください
森直美 (水曜日, 28 5月 2025 08:30)
ありがとうございました。
なるほどです。
現在、特別支援学級巡回心理師、幼稚園保育園の巡回をしております。
観察後の先生方とのカンファレンスにおいてとても腑に落ちました!
心がけてのぞんてみます。
ミッチー (水曜日, 28 5月 2025 12:19)
直美さん
コメントありがとうございます。素晴らしい活躍ですね✨
さらに先生方に「届く」ことになりそうです。
応援しています。